Donnie Fritts (1961?~2008)
Donnie Frittsについては説明不要だろう。David Briggs、Norbert Putnam、Jerry Carriganの三人がナッシュビルに行ってしまった後、Donnie Fritts が The Pallbearers のメンバー
になったのが1964年だが、あの有名なドラッグ・ストアの二階にあった Spar Music で1959年頃にはもうDan Penn はDonnie Frittsと既に知り合っていた。当初はDan Penn、Donnie Fritts、Spooner Oldham の三人で曲を書いていたが
その後、Donnie Frittsはナッシュビルに赴き Combine Music のライターの職を得る。
1960年代中頃以降は、Donnie Frittsと一緒に曲を作る時というのは、お互いのアルバムをリリースしたり、お互いの力を必要とした時に限るようである。
未発表曲が相当数あるというのは、Donnie Frittsのお蔵入りになってしまったアルバムが存在しそうである。
Donnie Frittsとの共同作品は以下の三十二曲。
2011年発売のRare & Unissued Gems from The FAME vaults というアルバムで初めてその存在が明らかになったJackie Weaverらしき歌手がカバーしたのが
なんと1961年頃ということで、これから明らかな事はDan Pennが初めて他人と曲を書いたのが、Donnie Frittsとで、この曲がどうやら最初の作品だということだ。
軽快なカントリー・ソウル・ポップス曲、売れそうな曲だが売れなかった。June Conquestが1964年にカバー。
SORRY I'M LATE, LISA (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1963.8.7 Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
Tommy Roe | Single (ABC 45-10478) | 1963 | *** |
1963年、Tommy Roe のシングルのB面曲としてカバー。A面の曲、"Everybody" は Tommy Roe の書いた曲で、このシングルが1963年9月、全米3位のヒットとなり、
Dan Penn、Donnie Fritts の二人に多額の印税をもたらし、Dan Pennに、職業ソングライターとしての自覚をもたらせた記念すべき曲。カントリー色が強い。
感動的な、カントリー・ソウル・バラード。
しかしDan Pennが自身でシングル・リリースする為に1964年2月、FAME Studioでレコーディングされた物は、Rick Hallのヒット狙いの、大胆なアレンジで、あの名曲をhooh! aah! hooh!という掛け声みたいな奇妙なコーラスと何とバンジョーを使うという訳わからないアレンジで、この曲を台無しにしている。
このコーラス・アレンジは1960年のSam Cooke のヒット曲、Chain Gang から大胆にパクッたものである。
(The SupremesがカバーしたChain Gangの方がそっくり)
そして、バースからのメロディも皆が知っているRAINBOW ROADとは違うメロディーに展開するという、本当にビックリさせられるアレンジで、別の曲みたいである。
恐らく、曲を作ったばかりのDemo音源は、いつものバージョンだと思われ、こちらを聴いてみたいと節に思う。当然、後からこの曲をカバーした人達はDemo音源の方を聴いてカバーしているはずである。
最近のSpooner Oldhamと一緒のコンサートでもたまに歌われている曲だが、そちらは普通のバージョンである。唯一、1969年にこの曲をカバーしたJoe Simonだけが
このDan Pennのバージョンを元に、おなじようなバンジョーを使ったアレンジで歌っているが、こちらはあの Chain Gang 風コーラスはついていない。
個人的には、Arther Alexanderのカバーが好きだが、Steve Goodman、Joan Baez、Kris Kristofferson のようなフォーク・カントリー系のアーティストにも多くカバーされている名曲。
いつかDan PennのオリジナルのDemo音源を聴いてみたいものだ。
1964年4月、Rick Hallの Fame Studioに来たJoe Simonは ヒット曲になった"Let's Do It Over"を含め4曲を録音したが、発表されたのはシングル一枚分の2曲のみだった。
この曲は未発表だった一曲。翌年Jimmy Hughesが、カバーして世にでた。しかし、ラベルのクレジットがSpooner Oldhamとの共作となっているたが、これは間違いだ。BMIのサイトでは Donnie Fritts との共作となっている。軽快なジャンプ・ナンバー。
ACTIONS SPEAK LOUDER THAN WORD (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1964.2.11 Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
NOBODY CRIES FOR ME (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1965.2.5 Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
Steve Alaimo (V/A) | Shinding (ABC Paramount 504) | 1965 | *** |
Steve Alaimo (V/A) | Hits & Rarities (1995) | 1965 | *** |
Steve Alaimoが1960年代人気があったテレビ番組 Shindig でカバーしていた曲。サントラ盤に収録されていた。軽快なロカビリー曲。
B L T (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1966.12.5 Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
The Virginia Wolves | Single (Amy 966) | 1966 | *** |
The Virginia Wolvesによって1966年カバーされていたロカビリー曲。
DON'T COUNT YOUR CHICKENS (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1967.11.21 Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
DO YOU NEED IT (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1967.12.14 Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
Dan Penn自身が1968年、突然 Atlanticレーベル からリリースしたシングル曲。ラベルのクレジットとBMI のサイトでもDonnie Frittsが単独で書いた曲として扱われているが、
楽曲管理の出版社がDan Penn Musicの名前があるので、Dan Penn も曲作りに関わっていると思われる。
同じ年Tony BordersもQuinvyレーベルでこの曲を吹き込んだが、お蔵入りになっていた。しかし1998年にコンピレーションアルバムで陽の目を見た。
しかし、ここではDan Penn & Spooner Oldhamというクレジットになっていた。Tony Bordersのカバーは伴奏から歌い方までDan Pennそっくりだ。
感動的なカントリー・ソウル・バラード。Dan Pennもヒット間違いないと思っていたと思う。しかし売れなかった。もっといろいろな人にカバーされてもいいと思う名曲。
Dan Pennのデビュー・アルバム用に書いた、こてこてのカントリー曲。1970年代にJerry Laneと Al Jordan with Gary & Clydeがカバー。2000年にTed Roddy with The Tearjoint Troubadorsがカバー。いづれもカントリー・シンガーばかりである。
WINNER TAKE ALL (Dan Penn & Donnie Fritts) ©1974.12.19 Combine Music corp. |
artists | albums | cover | original |
Donnie Fritts | Prone To Lean | 1974 | *** |
1974年のDonnie Frittsのデビュー・アルバム用に書かれた曲。互いに自分のアルバムを制作するときには助け合うみたいだ。
Dan Pennプロデュースの1979年のIrma ThomasのアルバムSafe With Meの為にSpooner Oldhamも含め、三人で共作した曲。
Dan Penn自身も1994年のセカンド・アルバムDo Right Manでセルフ・カバー。1999年の来日コンサートでも演奏した。堂々としたカントリー・ソウル・バラード。
もっとたくさんのアーティストにカバーされないのが不思議。
I DON'T UNDERSTAND (Dan Penn & Donnie Fritts) Screen Gems-EMI Music Inc. |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
LAST CALL FOR LOVE TONIGHT (Dan Penn, Samuel Hogin & Donnie Fritts) Dan Penn Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
ALL CRIED OUT (Dan Penn & Donnie Fritts) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
BOTH SIDES OF YOU (Dan Penn, Bud McGuire, Jimmy English & Donnie Fritts) |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
DEMO DAYS (Dan Penn, Gary Nicholson & Donnie Fritts) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
HEADIN HOME (Dan Penn, Donnie Fritts & Gary Nicholson) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
DO IT (Dan Penn, George Jackson, Curtis Wilkins & Donnie Fritts) |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
DON'T MIND IF I DO (Dan Penn, Spooner Oldham & Donnie Fritts) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
TRIAL BY FIRE (Dan Penn & Donnie Fritts) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
UNFORTUNATELY (Dan Penn & Donnie Fritts) |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
SOB STORIES (Dan Penn & Donnie Fritts)©1989.5.31 |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
Donnie Fritts と Arthur Alexanderとの共作曲。Arthur Alexanderの1993年のアルバムLonely Just Like Me 制作時のアウト・テイク曲と思われる。
1994年のArthur Alexanderのトリビュート・アルバムでMarshall Crenshawがカバーしていた。
HE'LL TAKE CARE OF YOU (Dan Penn, Donnie Fritts & Gary Nicholson) Dan Penn Music *(Dan Penn) |
artists | albums | cover | original |
Dan Penn | Do Right Man | 1994 | 1994 |
Bonnie Bramlett | *Beautiful | 2008 | 1994 |
1994年のDan Pennのセカンド・アルバム用に書かれた曲。相変わらず、互いに自分のアルバムを制作するときには助け合うみたいだ。
Bonnie Bramlettも2008年のアルバムでカバー。
1994年のDan Pennのセカンド・アルバム用に書かれた曲。相変わらず、互いに自分のアルバムを制作するときには助け合うみたいだ。
カントリー・ファンクな曲。数多くのカントリー系シンガーにカバーされている。Dan Pennが最近書いた曲で一番カバーが多い曲。
HELLO MEMPHIS (Dan Penn, Spooner Oldham & Donnie Fritts) ©1980.11.18 Dan Penn Music |
artists | albums | cover | original |
Donnie Fritts | Everybody's Got A Song
| 1997 | *** |
1997年のDonnie Frittsのセカンド・アルバム用に書かれた曲。相変わらず、互いに自分のアルバムを制作するときには助け合うみたいだ。
1999年の来日コンサートではSpooner Oldhamのリード・ボーカルで歌われた。
EVERYBODY'S GOT A SONG (Dan Penn & Donnie Frits) ©1997.11.18 Dan Penn Music |
artists | albums | cover | original |
Donnie Fritts | Everybody's Got A Song | 1997 | *** |
1997年のDonnie Frittsのセカンド・アルバム用に書かれた曲。相変わらず、互いに自分のアルバムを制作するときには助け合うみたいだ。
ONE WAY OR ANOTHER (Dan Penn, Gary Nicholson & Donnnie Fritts) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
(Unknown) | ??? | 19?? | *** |
未だに未発表の曲。
BATTLE CRY (Dan Penn, Spooner Oldham & Donnie Fritts) BUG Music Donnie Fritts Music |
artists | albums | cover | original |
Dan Penn | One Voice | 2002 | 2002 |
2002年の企画物コンピレーション・アルバムOne Voiceに収録されていたDan Penn自身が歌っている曲。フォーク・ロック調でちょっと憂いのある曲。
比較的手に入りやすいアルバムだ。
CHICKEN DRIPPINGS (Dan Penn & Donnie Fritts) Dan Penn Music |
artists | albums | cover | original |
Donnie Fritts | One Foot In The Groove | 2008 | *** |
2008年のDonnie Frittsのサード・アルバム用に書かれた曲。相変わらず、互いに自分のアルバムを制作するときには助け合うみたいだ。
Dan Penn はこの曲のハーモニー・ボーカルもやっている。二人が出会ってから半世紀が経ってしまった。