Taj Mahalの1971年の2枚組アルバムの中に収録されていた、Robbie Robertsonと Garth Hudsonの共作の曲。二人が共作した曲はこれのみだし、オリジナルは未発表だし、どういう経緯でTaj Mahal がこの曲をカバーしたのかは不明だが、恐らく John Simon が絡んでいるのではと思っていた。そうだとすれば、間違いなく、Basement Tapesの未発表曲ではないかと思っていたが、ついに2005年のボックスでオリジナルが明らかに。
Levon & The Hawks がサックス奏者の Jerry Penfoundを加えた6人組だった1964年にトロントでシングル用に録音されてお蔵入りになっていた音源がオリジナルのようだ。1967年頃、ウッドストックでこの曲をもう一度演奏してみた断片のような物が1997年のブートCD3枚組に収録されている。イントロ部分で当時のロビーっぽい鋭いギターが聴けていいのだが、歌が始まって途中でいきなり演奏がフェイド・アウトしてしまうのが残念だ。
恐らく、テープが途中で無くなってしまったのだろう。
余談になるが、Jesse Ed Davis か゜1973年の三枚目のソロ・アルバム Keep Me Comin' の中で BACON FATをやっているのだが、こちらは作曲者が Andre Williams となっており 違う曲である。
Eric Claptonが The Band のメンバーや Bob Dylanと一緒に録音した1976年のアルバムNo Reason To Cryで初めて世に出た曲。このアルバムではRichard Manuelと Rick Dankoの共作としてクレジットされていた。
The Bandの未発表曲をクラプトンに提供したのかと単純に思っていた。ところが1997年のブートCD3枚組の中に2バージョン収録されていたので、この曲がBasement Tapesの曲であることが判明した。2005年のボックス・セットにも収録されているが、ここでは1966年秋、写真家のBarry Feinsteinのスタジオでの録音となっていて作者はリチャードのみとなっている。当時Barry Feinstein
はPeter Paul & Mary のマリーの旦那で、後にピーターと一緒にYou Are What You Eatのムービーを作りカメラマンを務めた人だ。その映画の中でTiny Timが歌う2曲のバックを務めたのが The Hawksというわけだが、既にこの頃からBarry Feinsteinと関わりがある事にビックリだ。3パターンとも
リチャードの電気ピアノとリックのベースのみの演奏。歌詞が全部出来てなくて途中からハミングで歌っている。3パターンの違いが見いだせない。未完成部分の歌詞を後からリックが書いてクラプトンに提供したと思われる。だから、クラプトンのアルバムでは共作としてクレジットされているのだろう。
Happy & Artie Traum 兄弟の1969年のデビュー・アルバムの中に、ロビーとリックの共作曲 Going Down To See Bessie として初めて世に知らされた曲。当時ウッドストック繋がりで未発表曲を兄弟に提供したんだろう・・・と思っていた。
ところが1975年正式にリリースされたThe Basement Tapesの中に収録されていた、BESSIE SMITH という曲が同じ曲だったことから、この曲がThe Basement Tapesの曲であった事が初めて判明。ただしウッドストックで録音されたのかは不明。その後、ボックスに2回収録されているが全て同じバージョンのようだ。
最近では、あのNorah Jonesがカバーしていて彼女の The Band愛が確認できた。
Basement Tapes の中にはインストルメンタル曲が多数あって、それらを区別するのが困難だが1989年のThe Genuine Basement Tapesシリーズの3作目の中でEVEN A TOMATO というタイトルが付けられていたので、このタイトルを採用することにした。
但し、このタイトルはこのCDのみである。一番最初に世に出たのは1986年のBlind Boy Grunt And The Hawks のボリューム2で。その後上記のいくつかのブート作品に収録されているが、全て同一バージョンのようだ。5分半のブルース・インストルメンタル曲。ロビーのギターとガースのオルガンのバトルが炸裂。
ドラムはレボンのようだ。
FERDINAND THE IMPOSTER (Jaime Robbie Robertson) ©1968.09.23 +FERDINAND * Rec. Sep. 5 1967 Columbia Studios E, NYC drums: Gary Chester? |
artists | albums | cover | original |
Blind Boy Grunt And The Hawks (short version) 2:04 | +The Basement Tapes Volume 1 (1986 Bootleg 2 LPs) | 1967 | 1967 |
Bob Dylan The Hawks (short version) 2:09 | The Genuine Basement Tapes #3 (1989 Bootleg CD) | 1967 | 1967 |
The Band (long version) 4:06 * | Crossing The Great Divide (1997 Bootleg 3 CDs) | 1967 | 1967 |
The Band (long version) 3:59 * | Music From Big Pink (2000 CD Bonus Track) | 1967 | 1967 |
The Band (long version) 4:07 * | A Musical History (2005 5 CDs Box) | 1967 | 1967 |
1986年のBlind Boy Grunt And The Hawksシリーズのリリースは『Basement Tapesってまだこんなに音源があったんだ』・・と驚かされたものでした。中でもこのFERDINAND という曲とYOU SAY YOU LOVE MEの二曲はボーカル曲でもあり、いかにも当時のThe Hawksがやりそうな曲だったのでお宝を発見したような喜びを感じました。
この曲には2バージョンがあり、二分ちょっとのショート・バージョンではリックの振り絞るようなソウルフルなボーカルが聴けます。そしてスコーピオからの1997年の三枚組のブートCDで初披露された4分位のロングバージョン。こちらはボーカルが軽く歌っている感じでソウルは感じません。そして2000年のMusic From Big Pink CDのボーナス・トラックとして収録された物では初の公式作品ということで、音が整理されてすごくクリアなサウンドになっています。そしてクレジットでこのロング・バージョンはニューヨークのコロンビア・Eスタジオでの録音。さらにリボンがまだ復帰前なのでドラムは
セッション・ドラマーのGary Chesterが叩いているそうです。個人的には、リックの絞り出すようなソウルフル・ボーカルが聴けるショート・バージョンの方が好きです。
GUITARS (Jaime Robbie Robertson) +credited as INSTRUMENTAL #3 ++credited as INSTRUMENTAL #4 |
artists | albums | cover | original |
Blind Boy Grunt And The Hawks 1:22 | The Basement Tapes Volume 1 (1986 Bootleg 2 LPs) | 1967 | 1967 |
Bob Dylan, Tiny Tim & The Band (First 1/2 of "Guitars") 0:40 | +Down In The Basement (1996 Bootleg CD) | 1967 | 1967 |
Bob Dylan, Tiny Tim & The Band (Second 1/2 of "Guitars") 0:40 | ++Down In The Basement (1996 Bootleg CD) | 1967 | 1967 |
Blind Boy Grunt And The Hawks シリーズのボリューム1に収録されていたロビーのギター・インスト曲。GUITARS という仮タイトルが付けられていた。聴いてみると、途中で違う曲になっているので組曲のようだ。
という訳で、1996年のブートCDに収録された時は違う2曲として分割されて収録されていた。
1989年の The Genuine Basement Tapes シリーズの第4弾で ジャケットには19曲しかクレジットされていないのに、20曲目に隠しトラックとして収録されていて、初めて世にでた曲。当時、曲名が分からなかったが、どうやらIf I Lose, Let Me Lose という曲らしいと情報が入りました。
そして2000年のMusic From Big Pink CDのボーナス・トラックとして正式に収録されました。レボンのリード・ボーカルにリックがハーモニーをつけるといった肩慣らしに歌ってみたというような曲です。こんな感じの曲もまだ多数ありそうです。でも、オリジナル曲の素晴らしさにはとてもかないません。
Music From Big Pink の録音以前に、
ニューヨークのコロンビア・Eスタジオでのデモ録音。さらにリボンがまだ復帰前なのでドラムは セッション・ドラマーのGary Chesterが叩いているらしい。
1975年の正式リリース、ブートに収録された物も全てこの音源が使われている。2005年の5枚組CD+1DVDボックスのDVDを再生する時、インデックス部分のバックで聞けるインストルメンタル曲がガースが弾く電気ピアノのインスト・バージョンで、ここでしか聴けない。
LONG DISTANCE OPERATOR (Bob Dylan) Dawrf Music ASCAP +Rec. Feb. 21, 1968 Gold Star Studios, LA. produced by John Simon |
artists | albums | cover | original |
Bob Dylan And The Band 3:38 | The Basement Tapes (1975 2 LPs) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #1 plus intro voice) 3:56 | Music From Big Pink (2000 CD Bonus Track) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #2) 4:34 | +A Musical History (2005 5 CDs Box) | 1967 | 1967 |
James Cotton Blues Band | Taking Care Of Business | 1970 | 1967 |
Todd Rundgren & Mark Moogy Klingman プロデュースのJames Cotton Blues Band の1971年の Taking Care Of Business というアルバムに収録されたのが初お目見え。
Bob Dylanの未発表曲という扱いだったが、1975年にBasement Tapes が正式に発表され、この曲がBasement Tapesの曲だったとわかった。2005年のボックスの収録バージョンはJohn SimonプロデュースということでGold Star Studioの録音という事はMusic From Big Pink のアウト・テイクだ。
NON-TITLE INSTRUMENTAL (Jaime Robbie Robertson) +credited as INSTRUMENTAL (B4) ++credited as INSTRUMENTAL #1 +++credited as INSTRUMENTAL #2 |
artists | albums | cover | original |
Blind Boy Grunt And The Hawks (Version #1 Piano Roll Version) 1:33 | +The Basement Tapes Volume 1 (1986 Bootleg 2 LPs) | 1967 | 1967 |
Bob Dylan, Tiny Tim & The Band (Version #1 Piano Roll Version) 1:31 | ++Down In The Basement (1996 Bootleg CD) | 1967 | 1967 |
The Band 1:31 (Version #2 w/o Piano Version) 1:31 | +++Crossing The Great Divide (1997 Bootleg 3 CDs) | 1967 | 1967 |
Basement Tapes の中にはインストルメンタル曲が多数あって、それらを区別するのが困難だが、ついにこのインストだけ全く名前らしきものが不明なので、NON-TITLE INSTRUMENTAL という名前にするしかありませんでした。
Blind Boy Grunt And The Hawks シリーズのボリューム1で初お目見え。2バージョンあり転がるようなピアノのイントロから始まるバージョンと、最初はピアノ無しで途中からピアノが被さってくるバージョンの二つです。
このピアノ無しバージョンは1997年のブートCD三枚組で初めて収録され、未だにこのバージョンはここでしか聴くことができません。
John Simon プロデュースのMama Cassの1968年のDream A Little Dream の中でBlues For Breakfast というタイトルで初めて世に出た曲。The Band の未発表曲として注目されていた。ところが1975年
Basement Tapes が正式に発表され、この曲がBasement Tapesの曲だったとわかった。1986年のBlind Boy Grunt And The Hawksシリーズ のボリューム1でINSTRUMENTAL というタイトルで収録されたのが、この曲の
リズム・トラックだった。1997年のブートCD三枚組にはこのインストとリチャードのピアノとリックのベースだけのデモ録音が収録。2005年のボックスの収録バージョンはJohn SimonプロデュースということでGold Star Studioの録音という事はMusic From Big Pink のアウト・テイクだ。
1975年の正式Basement Tapes ら収録されているのはどれがベースなのだろうか。よくわからない。
PIANO RAG (GARTH PIANO) (Trad. Arr. by Garth Hudson) +credited as GARTH PIANO (C3) |
artists | albums | cover | original |
Blind Boy Grunt And The Hawks (Garth Hudson Piano Solo) 2:09 | +The Basement Tapes Volume 1 (1986 Bootleg 2LPs) | 1967 | 1967 |
Bob Dylan, Tiny Tim & The Band (Garth Hudson Piano Solo) 2:07 | Down In The Basement (1996 CD) | 1967 | 1967 |
ガース・ハドソンによるラグ・タイム・ピアノが途中から、どんどん発展していくようなガースの即興音楽の真骨頂を聞かせてくれる曲です。
多分ガースは、放っておけば一日中弾きまくっていそうです。
PRELUDE (R.R.? G.H.?) org. clavinet? gtr? |
artists | albums | cover | original |
Blind Boy Grunt And The Hawks 0:55 | The Basement Tapes Volume 2 (1986 Bootleg 2LPs) | 1967 | 1967 |
1986年のBlind Boy Grunt And The Hawksシリーズのリリースは衝撃的でした。大半の曲が、その後のブートCDやオフィシャルに収録されたりして、もうこのシリーズの価値が無くなってしまったように思われますが、
このPRELUDE という一分にも満たないインストルメンタル曲、ここでしか聴くことが出来ません。オルガンとクラビネットをガースが一人で弾いているような感じですが、オートハープ又はマンドリンのような音が聞こえるので、これがクラビネットで出せる音なのかわかりません。
ガース以外が何か弾いているのかもしれません。ラスト・ワルツのテーマのような感じの小作品です。
RUBEN REMUS (Jaime Robbie Robertson & Richard Manuel) ©1968.09.23 Dawrf Music ASCAP Rec. Sep. to Nov. 1967 Big Pink + Robbie Robertson g & Rick Danko b |
artists | albums | cover | original |
Bob Dylan And The Band (#2 Vocal Version) 3:11 | The Basement Tapes (1975 2 LPs) | 1967 | 1967 |
The Band (#1 Instrumental Version) 2:57 | +Crossing The Great Divide (1997 Bootleg 3 CDs) | 1967 | 1967 |
The Band (#2 Vocal Version) 3:20 | Crossing The Great Divide (1997 Bootleg 3 CDs) | 1967 | 1967 |
The Band (#2 Vocal Version) 3:15 | A Musical History (2005 5 CDs Box) | 1967 | 1967 |
1975年のBasement Tapes で初お目見え。1997年のブートCD3枚組の中に2バージョン収録されているが一つはインストルメンタルでここにしか収録されていない。インストといってもリズム・トラックではなく、ロビーのギターとリックのベースだけという、アレンジのアイデアを探るためのデモといった感じだ。
WORDS AND NUMBERS (Richard Manuel) +credited as INSTRUMENTAL (C5) ++credited as INSTRUMENTAL #2 +++Rec. Apr. to Oct. 1967 Big Pink |
artists | albums | cover | original |
Blind Boy Grunt And The Hawks (#1 Instrumental Version) 3:35 | +The Basement Tapes Volume 1 (1986 Bootleg 2 LPs) | 1967 | 1967 |
Bob Dylan, Tiny Tim & The Band (#1 Instrumental Version) 3:35 | ++Down In The Basement (1996 Bootleg CD) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #2 Vocal Version) 4:13 | +A Musical History (2005 5 CDs Box) | 1967 | 1967 |
1986年のBlind Boy Grunt And The Hawksシリーズで初めて世に出たインストルメンタル曲。ロビーのギターから始まって、すぐにガースのオルガンが絡みつくブルースっぽい曲。
ところが、何と2005年のボックスにこの曲にボーカルが入っているバージョンが収録されていてビックリしました。Basement Tapes の未発表ボーカル曲の3番目という事になる訳です。
そして、タイトルも WORDS AND NUMBERS ということが判明。但し、既出のインストルメンタルは、今回のボーカル・バージョンのリズム・トラックでは無いです。そしてこの曲はリチャードの作品とクレジットされていて、その事にもビックリです。この当時のリチャードの創作意欲の高さが証明されます。
まだまだお宝が隠されていそうです。
WORKING IN THE CANASTAS (Richard Manuel) Rec. Oct.24, 1968 Capitol Studios, New York |
artists | albums | cover | original |
The Band (Instrumental) | A Musical History (2005 DVD Index Back Music) | 1968 | 1968 |
2005年の5枚組CD+1DVDボックスのDVDを再生する時、インデックス部分のバックで聞けるインストルメンタル曲。
リチャードの作品。歌詞もあるのかもしれません。しかしまだまだお宝が眠っているとは。けちけちしないで早く全部出して欲しいものです。
YAZOO STREET SCANDAL (Jaime Robbie Robertson) ©1968.09.23 Dawrf Music ASCAP +Rec. Jan. 10, 1968 A&R Studios, NYC produced by John Simon |
artists | albums | cover | original |
Bob Dylan And The Band 3:26 | The Basement Tapes (1975 2 LPs) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #1- long version poor vocal) 4:10 | Crossing The Great Divide (1997 Bootleg 3 CDs) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #2- short version) 3:29 | Crossing The Great Divide (1997 Bootleg 3 CDs) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #3 A&R Studio Version) 4:00 | +Music From Big Pink (2000 CD Bonus Track) | 1967 | 1967 |
The Band (Version #3 A&R Studio Version) 3:56 | +A Musical History (2005 5 CDs Box) | 1967 | 1967 |
1975年のBasement Tapes の収録曲ですが、実際ウッドストックで録音されたバージョンは1997年の三枚組ブートCDで聞くことができます。ここには2バージョンあって、バージョン1は4分位のロング・バージョンですがボーカルがオフ気味。バージョン2は3分半のショート・バージョンでこちらはちゃんとボーカルが聞こえます。
そして2000年のMusic From Big Pink CDのボーナス・トラックとして収録された物ではニューヨークのA&RスタジオでJohn Simon プロデュースという事なので、Music From Big Pink用に録音されたアウト・テイクという事が明白です。これは2005年のボックスでも収録されていて4分位の長さなのですが1975年のBasement Tapes収録曲は3分半なのでA&Rスタジオ・バージョンを編集したものではないかと思います。
1986年のBlind Boy Grunt And The HawksシリーズのリリースはBasement Tapesってまだこんな音源があったんだ・・と驚かされた物でした。中でもこのYOU SAY YOU LOVE ME という曲とFERDINANDの二曲はボーカル曲でもあり、いかにも当時のThe Hawksならではの曲だったので衝撃的でした。
この曲には2バージョンがありバージョン1は、2分40秒位のロング・バージョン。そしてバージョン2は2分位のショート・バージョンです。そして聴いてすぐ分かる事はショート・バージョンにはタンバリンでリズムをとっているのですが、ロング・バージョンにはタンバリンは入っていないのですぐ分かります。
2005年のボックスに収録されているショート・バージョンは初の正式リリースということもあり、音が整理されて非常にクリアなサウンドになっていました。さらにこのボックスで初めてタイトルがYOU DON'T COME THROUGH というのが正式なタイトルとして表示されました。
= このLP または CD でしか聴くことが出来ない音源又はバージョン