Roger Nichols & The Small Circle of Friends の音源の発掘は、今まで日本発信で行われてきた。
しかし2000年代になって英国の Now Sounds というレーベルから、Roger Nichols 関連の 今までその存在さえ知られていなかったような音源が次から次へと発表されてきて
いるのに、何故かその件について、他で、余り触れられていないような気がしたので、思い腰をあげて、Roger Nichols & The Small Circle of Friends のサイトを立ち上げた次第です。
まずは、一番左のThe Parade "Sunshine Girl : The Complete Recordings。
このCDのボーナス・トラックに Roger Nichols Trio 名義の 今までその存在さえ知られていなかった
"Montage Mirror" (Roger Nichols & Smokey Roberds) という未発表曲がさりげなく入っている。共作者のFred "Smokey" Roberds は勿論The Parade のメンバーだ。
今まで、The Small Circle of Friends とThe Parade の関係といえば、Murray MacLeod が共通のメンバーという事と、
The Parade の曲、
"Kinda Wasted Without You" (Jerry Riopelle, Murray MacLeod & Smokey Roberds) をThe Small Circle of Friends が取り上げている二点だった。
ところがThe Parade のメンバーと一緒に曲を作る位の関係性であったことに驚いた。
まず、一枚のシングル。
Freddie Allen 名義の "We've Only Just Begun" (White Whale WW-345) 1970
プロデューサーがSmokey Roberds, Eddie Biscoe、アレンジャーはRoger Nichols。
そして、驚く事に、Freddie Allen とはSmokey Roberds の変名なのだ。 Smokey Roberdsの本名は Fred Allen Roberds 苗字を外して、名前とミドル・ネームの組み合わせで芸名にする
Bobby Charles 方式。
今まで、この曲に関しては Mark Lindsay のバージョンが評価が高かったが、Smokey RoberdsのバージョンにはRoger Nichols本人が編曲で関わっているので、出来がいいし、
何よりThe Parade・・というより、Smokey Roberds との親密性をうかがい知る事が出来る証といえよう。
さて、次は2007年、日本で40年振りにリリースされた Small Circle of Friendsのセカンド"Full Circle"。
これが翌年に英国の Now Soundsからもリリースされたのだが、日本盤に5曲のボーナス・トラックが追加されている。
"Watching You" (Roger Nichols & Fred Roberds)
"I'm Comin' To The Best Part Of My Life" (Roger Nichols & John Bettis)
"I'm Gonna Find Her" (Roger Nichols & Paul Williams)
"Always You" (Roger Nichols & Tony Asher)
"You're Foolin' Nobody" (Roger Nichols & Paul Williams)
上記5曲がボーナス・トラックなのだが、いずれも正規トラックとして収録されている曲なので、2000年代のレコーディングのテイク違いやデモ・テイクと思われがちだが
何と、この5曲は60年代に録音されたデモ音源なのだ。
特に、"Always You" は、噂の A&M レコードの為に最初に録音された4曲のデモ音源と思われるので、ビックリなのだ。
Roger Nichols がプロデュースしたPaul Williamsのアルバム Someday Man
これも英国の Now Soundsから2010年にリリースされた。ボーナス・トラックとしてリズム・トラックがあるのだが、多分何曲か、あの Almo Music/Irving Music 制作のアセテート盤の
リズム・トラックも混在していそう。
さて、最後にRoger Nichols & The Small Circle of Friends のステレオ・バージョンとモノラル・バージョンを二枚組にしたデラックス版が2012年にリリース。
昔93年にマニアの方が作った板おこしのCDのモノラル盤があって重宝したが、今回はマスター・テープからのSHM-CD。
これで決定版だ。解説も完璧だ。
カバー・バージョンの探求については、先人の方にお任せします。
英国、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、日本、各国にRoger Nicholsを愛するミュージシャンが今でも存在するので、未だに細々とカバーされています。
さらにサンプリングされて曲名変えられるともう訳わかんないです。
ただ、得意の著作権登録の記録があるサイトから、ごっそり未発表曲を見つけてきました。
これに関しては誰にも負けないつもりです。
60年代、ある時期のRoger Nichols氏の才能の閃きは本当に素晴らしいものでした。
キャッチ―なメロディー、コード進行、メロディー展開、アレンジ力、ギター、ピアノ、特にベースの才能はすごかった。
あのベース・ラインを含めての曲作り。多分コーラス作りについては、マクランド兄妹の力のほうが大きかったような気がします。
これからも、英国の Now Soundsレーベルの動向に要チェックです。何が出てくるか分からない。
そして、日本のレコード会社、今まで何やってたんだ。
最後に
Rhinoでも ACE/KENT でもいいのでRoger Nichols のカバーを徹底的に集めたコンピレーション、本当にお願いします。