HEDGE & DONNA
by Hideki Watanabe ©2019


-------白人男性 Keene Hedge Capers と 黒人女性 Donna Marie Carson の二人からなる 夫妻 によるフォーク・ロック・デュオ。 洗練されたハーモニーを聴かせ、ソフト・ロック的な側面も見せます。 1968年2月から1973年5月の間に6枚のアルバムと5枚のシングルを出していますが、大したヒット曲もなく、知る人ぞ知るといったマニアックな存在です。

-------自作曲もありますが、特筆すべきはカバー曲のセンスの良さです。 これまでカバーしてきた ソング・ライター は一枚目の Donovan Tim Buckley Jerry Merrick Billy Batson から Jackson Brown Jack Tempchin Richard Ruskin Tom Snow Janis Ian Joe Walsh そして6枚目のラスト・アルバムでは なんと Bob Marley までカバーしています。

Jack Tempchin を69年にカバーしていますが、これは Jack Tempchin の初めてのカバー曲です。

ちなみに翌70年のアルバムでもJack Tempchin をカバーしていますが、当時は 『誰 これ』というような存在だったと思います。

-------さらに1枚目と2枚目のアルバムで5曲もカバーしている Billy Batson という ソング・ライターに注目です。1966年に ロックを取り入れたばかりの ディランに大きく影響を受けた シングルを一枚だしたウッドストック在中のシンガー・ソングライターで、ここでは12弦ギターを弾いていますが、本来は シンガー・ソングライター・キーボード奏者です。

68年に5曲 HEDGE & DONNA に提供したあと、翌69年には ウッドストック仲間の Happy And Artie Traum のデビュー・アルバムに Uncle Jedd Sayというカントリー寄りの名曲を提供しています。

そして、71年には ウッドストックで Holly Moses という5人組のロック・バンドを結成して全曲作曲しています。バンドのメンバーには 元 カンガルー のリード・ギタリスト Teddy Speleos や、ベター・ディズ 加入前の若きドラマー Christopher Parker が、いました。

-------Hedge & Donna についての話が いつのまにか Billy Batson の話に すり替わってしまいましたが、気になるミュージシャンは、どこかで、ほかの気になるミュージシャンと繋がっている・・・といういつもの話でした。


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