Dan Pennの"Nobody's Fool"というアルバムは昔から僕のお気に入りの一枚だが、
昔からバックコーラスとしてクレジットされていた"Cargo"というアーティストの事が気になっていた。"Cargo"というソウル・シンガーが
多重録音でバックをつけているものとズット思っていた。この事とは別に"Nobody's Fool"では今までDan Pennが一緒に曲を書いたことがないソング・ライター達、
たとえばGreg Redding、 Bill Rennie、Bill Phillips という人達のことも気になっていた。特にGreg ReddingとBill Phillipsの二人はミュージシャンとしても
アルバムに参加していたし...。
さて、ある日AMGで"Cargo"を検索しようとしたところ間違って"Cargoe"と入れてしまったら"The Hot Dogs"
というバンドに行き着いた。そしてこのバンドのメンバーの中にGreg ReddingとBill Rennieがいることを発見。Dan PennとPrayer For Peaceという曲を共作している二人だ。
"Cargoe"は"The Hot Dogs"のアルバムで"Vocals"で参加しているとあった。 ひょっとして"Cargo"じゃなく"Cargoe"が正しいのではないかという疑問が沸いた。
別の日、FUZZ ACID & FLOWERSというサイトで"Cargoe"を検索したら出てきました。メンバーのなかにBill Phillipsを発見。
そうDan PennとIf Love Was Moneyという曲を一緒に書いている人だ。ギタリストのTommy Richardも"Nobody's Fool"の中の3曲でギターを
弾いている人だ。
結局"Nobody's Fool"のクレジットで"Cargo"とされていたのは間違いで"Cargoe"が正しかった。
4人組のバンドということもわかった。 そして、FUZZ ACID & FLOWERSのサイトの中で気になる記述を発見。
The first 45 was recorded at Dan Penn's Beautiful Sounds studio.
レーベルもDan PennのBeautifulレコードからだ。これは絶対に聞いてみなくては。
それから数ヶ月かけてやっと手に入れました。"Cargo"のBeautifulレコードからのデビュー・シングルとアルバム。
"The Hot Dogs"のアルバム2枚とアルバム未収録のシングル曲。さて、ぼちぼちこのサイトで紹介しようとした矢先、
レコード・コレクターズの広告で"Cargoe"と"The Hot Dogs"のArdentからのアルバムがCD化されるという事を知って
びっくりしたの何のって、あれだけ苦労して手に入れたレコードがあっけなくCD化されてしまいました。
嬉しい様な悲しいような、皆さんもわかると思いますが.......。
さて、この二つのバンドを聞いてみての感想だが。共通していえるのはCSNがBeatlesしちゃいました。
そしてメンフィス・ソウルにカントリー風味を足したパワー・ポップ。英国ロックの匂いもなぜか感じます。
"Cargoe"はメンフィスのバッド・フィンガーという趣だ。"The Hot Dogs"の方は弦楽器や木管楽器をさりげなく使ったりして南部の
スティリー・ダンといったら言い過ぎかな。(6曲目の"Thanks")
"Nobody's Fool"の収録曲のほとんどはDan Pennの所有していたメンフィスにあるBeautiful Sounds Studioで録音されているが
"Cargoe"や"The Hot Dogs"のような若いロック・バンドのメンバーとの交流があるから、あのような
ちょっと趣の違ったアルバムに仕上がったのではないかと思う次第です。
"Cargoe"と"The Hot Dogs"の2つのバンドに関して耳寄りな情報があります。Terry Manningの自主レーベルLucky 7から
"Cargoe"のFMラジオ局で放送したライブ音源と"The Hot Dogs"の未発表セカンド・アルバム(Ardent Labelでの)が近々リリースされます。
その一部が7月22日にリリースされた"ROCKIN' MEMPHIS" 1960's - 1970's Vol.1というコンピレーションで聴くことができるので興味のある方は確認してみて下さい。
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